後にUFO、そしてマイケル・シェンカー・グループで有名になるマイケル・シェンカーMichaelSchenkerのギターが「歌って」います。スコーピオンズのファースト・アルバム。まだハードロック路線に思い切れていない、プログレ色とブルース色が入り交じったようなアルバムです。でも私は大好き。ちょっと(かなりかな)暗めのところがいいです。
メンバーはマイケル・シェンカー(LeadGuitar)、クラウス・マイネKlausMeine(Vocals)、ルドルフ・シェンカーRudolfSchenker(Guitar)、ウォルフガング・ジオニーWolfgangDziony(Drums)、ローター・ハインベルグLotharHeimberg(Bassguitar)です。このアルバムの後、レーベルをRCAに変わり、一転してシンプルでソリッドなハードロック・アルバムを発表しますが、クラウス・マイネとルドルフ・シェンカー以外のメンバーは変わってしまいます。
「I’mGoin’Mad」はドラムで始まる暗い曲。「ItAllDepends」はギターのカッティングがかっこいい曲。「LeaveMe」はクラウス・マイネが朗々と女性のことを朗々と歌ったドラマチックな曲。いずれもマイケル・シェンカーのギターがメロディアスです。4曲目の「InSerchOfThePeaceOfMind」は、後にもライブで演奏されているようで、ライブアルバム「TokyoTapes」でも聴くことができます。
アナログ盤B1曲目「Inheritance」は「継承」とか「伝統」という意味で、なにやら哲学的な詞です。続く「Action」は軽快なリズムの曲ですが、やはりどことなく暗さが漂います。アルバム最後のテーマ曲「LonesomeCrow」は、13分30秒もある大曲。
このアルバムには発表年などのクレジットがありませんが、明日紹介のポリスター版には1972年に発表されたと書かれています。このアナログ・レコードはテイチク・レコードから発売された日本盤です。解説は渋谷陽一さんです。
1998.5.22