ところで昨日も書きましたが、久しぶりに雑誌「レコード・コレクターズ」の1991年10月号「特集−ソフト・マシーン」を引っ張り出して読んでいると、実に詳細な解説とアルバム評が書かれていて、これを読めばソフト・マシーンのことが極めてよく理解できます。1968年から1969年を「サイケデリックからジャズ・ロックへ」として山岸伸一さんが、1969年から1971年を「フリー・ジャズや現代音楽の手法を導入」として石川真一さんが、1971年から1973年を「新しい個性の加入が生んだクールな浮遊感」として立川芳雄さんが、1973年から1980年を「メンバーの激しい出入りの中で迎えた最期」として深民淳さんがそれぞれアルバムを紹介しながら解説を加えています。
とりわけ立川芳雄さんと深民淳さんの解説は、私が好きな時代のソフト・マシーンの音楽性を、とても見事に整理して解説してくれています。またこの他にも小山哲人さんの「オリジナル・アルバム未収録音源」や「ロバート・ワイアットのレコード」、伊藤秀世さんによる「ソフト・マシーン、メンバー変遷図」、和久井光司さんによる「ケヴィン・エアーズのレコード」、赤岩和美さんによる「マシーンを構成したアーティストたち」など、どの記事も素晴らしい資料です。
このアルバムはBBC放送のライブ演奏のようです。前述の「レコード・コレクターズ」には書かれていませんでしたし、輸入盤で詳細はわかりません。「BandLineUp」としてクレジットされているのはマイク・ラトリッジMikeRatledge、ヒュー・ホッパーHughHopper、ロバート・ワイアットRobertWyattの3人で、「JoinedBy」としてロニー・スコットRonnieScott(TnrSax)、マーク・チャリグMarcCはりg(Cornet)、ポール・ニーマンPaulNieman(Tmbn)、ロイ・バビングトンRoyBabbington(DbleBass)、エルトン・ディーンEltonDean(Sax)、ネビル・ホワイトヘッドNevilleWhitehead(ElBass)、フィル・ハワードPhilHoward(Dms)とあります。
収録されているのは「BlindBadger」「NeoCalibanGrides」「OutBloodyRageous」「EamonnAndrews」「AllWhite」「KingsAndQueens」「Teeth」「PiglingBland」の8曲(3曲目から8曲目まではメドレーになっています)。アルバム「Third」「Fourth」「Fifth」からの曲が中心です。
録音は1971年3月11日、ロンドンのパリス・シアターParisTheatreと書かれています。このアルバムは1993年にWindsongInternationalから発売されたCDです。
1998.5.7