Seven / SOFT MACHINE


ソフト・マシーン7枚目のアルバムです。私がこのアルバムを聴いたのは、確か高校生の頃。音楽好きの友人に薦められてでした。ところがこのアルバムの良さも、当時の私にはわかりませんでした。以前にも書きましたが、高校時代の私は長髪でハードロックに夢中でしたから、このアルバムを聴いても、なんだか気だるくって「やる気のないグループだなあ」としか思いませんでした。静かな演奏のように思える中に、熱くエネルギッシュな音楽性が潜んでいるのに気づいたのは、大学も卒業し、ジャズも聴くようになってからです。

1曲目「NettleBed」は今聴いても熱い思いに浸れる曲です。変拍子に違和感なくのったメロディーは、一度聴いたら頭を離れません。2曲目「CarolAnn」、3曲目「Day’sEye」も穏やかな曲ですが、後半、リズムが一転して複雑になり4曲目「BoneFire」、そして5曲目「Tarabos」へ流れ込むところの絶妙さ。そして「Tarabos」の後半は、メロディーの繰り返しが与える呪術的なエネルギー。そして音のコラージュ風、6曲目「D.I.S.」で静かに終わる、アナログ盤のA面。この一連の作品は、完成された組曲という印象です。

アナログ盤B面も、A面と同じく組曲風に構成されたものとなっています。前奏曲風の7曲目「Snodland」。スロー・テンポながら、見事な構成で聴き込むと熱く燃える情念が伝わる8曲目「PennyHitch」。エレクトリック・ピアノにシンセサイザーのソロが見事なコンビネーションをみせる9曲目「Block」。後半は「NettleBed」の変奏風に終わり、いったん間をおいて10曲目「DownTheRoad」、11曲目「TheGermanLesson」、最後の12曲目「TheFrenchLesson」。この最終3曲は、サービス・トラックという感じがします。

参加メンバーは、正式に加入したロイ・バビングトンRoyBabington(BassGuitar,AcousticBass)、マイク・ラトリッジMikeRatledge(Organ,Synthisiser,ElectricPiano)、カール・ジェンキンスKarlJenkins(Oboe,Baritone&SopranoSaxophone,Recorder,ElectricPiano)、ジョン・マーシャルJohnMarshall(Drums,Percussion)。人数が減りスリムになったためか、サウンドも贅肉がとれソリッドに感じられます。録音の方法にもよるのでしょうか、アルバム全体を通してダイナミックレンジをあえて落としたような印象が感じられます。

このアルバムは1973年にCBSから発売された、米盤のアナログ・レコードです。

1998.5.4