Third / SOFT MACHINE


「カルト・ミュージック掲示板」に来てくれた「かおりんさん」が好きなソフト・マシーンです。でもかおりんさんは、ファースト、セカンドがお気に入りとのことで、このサード・アルバムは全然別のグループの演奏だといってもわからないくらい違った印象を受けます。特に冒頭の激しいオルガンの音は衝撃的です。だいたい楽器なんてのは美しい音色を出すように作られているので、破壊的な音を出すのは、実は大変難しいのですが、ここでマイク・ラトリッジはハモンドオルガンを使って恐ろしいほど迫力のある音を創り出しています。

3曲目「6月の月MoonInJune」以外は全てインストルメンタル曲です。またファースト、セカンドでは短い曲がパズルのように組み合わさってアルバムを作っていましたが、このアルバムは全4曲、1曲が長い演奏です。1曲目「フェイスリフトFacelift」は18:45、2曲目「スライトリー・オール・ザ・タイムSlightlyAllTheTime」は18:12、3曲目「6月の月」は19:08、最後4曲目「アウト・ブラッディー・レイジャスOut−Bloody−Rageous」は19:14、合計75分あまりの大作です。

私の聴く印象では、「カンタベリー・ロック」というイメージはありません。典型的な「ジャズ・ロック」という雰囲気です。主導権をとっているように思えるのは、オルガンのマイク・ラトリッジMikeRatledge(Organ,Piano)と、サックスのエルトン・ディーンEltonDean(AltoSax,Saxello)です。他のメンバーは、ヒュー・ホッパーHughHopper(BassGuitar)、ロバート・ワイアットRobertWyatt(Drums,Vocal)、RedSpall(Violin)、LynDobson(Flute,SopranoSax)、NickEvans(Trombone)、JimmyHastings(Flute,BassClarinet)。

このアルバムは1970年に発表されました。このCDは1992年に「ナイス・プライス・ライン」としてエピック・ソニー・レコードEpic/SonyRecordsから1,800円という廉価で発売された日本盤のCDです。

なお先日、友人から「前と後にリンクするボタンが欲しい」とアドバイスをいただき、今回から下にボタンを付けました。(付記:2001年のリニューアル時に全部のページにボタンを付けました)

1998.4.29