Larks’ Tongues In Aspic / KING CRIMSON


復活キング・クリムゾンのアルバム。1st時のクリムゾンを「第一期」、2ndからIslandsまでを「第二期」とすれば、このアルバムから「第三期」のクリムゾンが始まります。とにかくすごいアルバムです。1曲目「太陽と戦慄パート1Larks’TonguesInAspic,PartOne」は何度聴いても背筋が寒くなるほど凄まじい曲です。これほど音楽が人の心を震撼させることができるなんて恐ろしささえ感じます。

デビッド・クロスDavidCrossのバイオリン、ジェイミー・、ミューアJamieMuirのパーカッションも、こなアルバムになくてはならない要素ですが、なんといってもビル・ブラフォードBillBrufordのドラム、ジョン・ウエットンJohnWettonのベースとボーカルが、第三期クリムゾンの魅力です。

これもまた北村昌士さんの「キング・クリムゾン−至高の音宇宙を求めて」からの引用なのですが、すでにイエスYesというビッグバンドのドラマーであったビル・ブラフォードは、クリムゾンに加入するにあたって、「イエスに在籍して4年後の今、その中で学んだ価値のすべてを、今度はクリムゾンから学ぼうとしていることが自分でもわかった・ロバート・フリップは私が気になった唯一の人物だ」「今の私の音楽世界に対する考えは、ジェイミー・ミューアのいた世界と同じで、そこは木のてっぺんであり、真のミュージシャンのいるべき場所でありながら実にネガティブだ」「これは私にとっての大手術であり、また受けるに足る試練だ。イエスにいた3年と数ヶ月の間、誰も私をだめなドラマーだとは一言も言わなかった。しかし、それは人間が進歩するにはあまりいいことじゃない」

ここにはブラフォードの音楽に対するきわめて真摯な姿勢、そしてクリムゾンとフリップに対する期待が強くうかがえます。

このアルバムは1973年に発表されました。このCDは1989年にロバートフリップRobertFrippとトニー・アーノルドTonyArnoldによってリマスターされた米盤です。CDケースにはオリジナルアルバムと同じデザインの印刷された紙が1枚だけ入っている、実にシンプルなものです。

1998.3.9