とぎれた闇 / 吉原すみれ


このCDは、「田中角栄研究」を著わして総理大臣の汚職を暴いたことで有名なジャーナリストの立花隆さんが、自宅にパーカッション奏者の吉原すみれさんを招いて開いたホーム・コンサートのライブ録音です。吉原すみれさんの3曲のオリジナル曲「インターバル」、「スキン・スイーパー」、「とぎれた闇」とともに、吉原さんの挨拶、曲の解説、曲間のおしゃべるなどが収められています。

録音された1985年12月、という時はCDという媒体が出始めた頃だと思います。この頃、立花さんはオーディオに凝っていたようで、この録音にもこだわりが感じられます。また詳細なライナーがあり、使用された楽器の説明、「パーカッションの世界」という、小室等さん、妹尾河童さん、立花隆さんと吉原すみれさんによる座談会形式の解説、などが書かれています。

「歴史的名演をライブ録音で」と題された立花さんの解説に、「使用した器材は、マイクがAKG451a、録音はソニーのPCM1630とBVU800DBでした。ワンポイント・ステレオにて録音し、ミキシング操作はいっさいありません。イコライザー、リミッターなどいっさい使用せず、可能な限りピュアな録音をしました。」とあり、そのこだわりようは半端ではありません。

このCDはおそらく本当の意味で「カルト」なのではないでしょうか。「シェ・タチバナ(フランス語で「立花家にて)ChezTachibana」という立花さんのレーベルからの2枚目で、1986年に発売されました。

1998.2.13