Rainbow Rising / Blackmore’s RAINBOW


元ディープ・パープルのスター・プレイヤー、リッチー・ブラックモアRitchieBlackmoreが率いるレインボーも、学生時代は大好きなバンドでした。でも私はリッチー・ブラックモアのギターより、ヴォーカルのロニー・ジェイムズ・ディオRonnieJamesDioの歌が好きで聴いていました。

まるでオペラ歌手のように朗々と高らかに響き渡る声には、心の底から惹かれました。イアン・ギランのような野生的な声も好きでしたが、このロニー・ジェイムズ・ディオや、スコーピオンズのウルリッヒ・ロートのような声に次第に惹かれるようになり、自分もあのように歌いたいと夢を見ていました。逆にレッド・ツェッペリンのロバート・プラントのような中性的な声はあまり好きにはなれませんでしたね。あ、イエスのジョン・アンダーソンは好きだな。中性的だけど。

レインボーはロニー・ジェイムズ・ディオが在籍していた「ウルフ」のメンバーを中心に、リッチー・ブラックモアが加わって出発しましたが、ファースト・アルバムを発表した後、リッチー・ブラックモアとロニー・ジェイムズ・ディオ以外のメンバーが総入替えとなりました。そしてこのセカンド・アルバムの発表となります。

このアルバムは音づくりがシンプルです。音の粒立ちがいい、というか、楽器の音ひとつひとつがはっきりと空間的な位置を確立して互いの存在を尊重しあうように重なっています。リバーブやエコーというエフェクトを最小限に押さえていることが良い効果を出しているように思えます。

アナログ盤のA面にあたるのは4曲。「タロット・ウーマン」はいかにもレインボーらしい曲。「ラン・ウィズ・ザ・ウルフ」はリズムをとても強く感じます。これはコージー・パウエルのタイトなドラミングの味が出ているのでしょう。これは次の「スターストラック」にも言え、シンコペーションが力強いです。

「ドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズ」は私がとても好きな曲です。こういうスピード感のある曲はたまりません。さらにロニー・ジェイムズ・ディオのボーカルは最初から最後まで全開でふっとばす、という感じです。

さてアナログ盤B面にあたるのは大作2曲。「スターゲイザー」と「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」です。この2曲はどちらも長い曲ですが、十分に練られた構成の、重量感のある曲です。今でも聴くたびに背筋が寒くなるほどの興奮を覚えます。

このアルバムは1976年に発表されました。このCDは1993年にポリドール株式会社から「NicePrice1800」と題して1、800円で発売された廉価盤のシリーズです。

1998.11.13